山仲間とは 

 
昨秋、90周年記念事業の一環で40人が参加した韓国・雪嶽山探訪から早いもので半年が過ぎました。昨年は周知の如く福山市と韓国・浦項市の友好都市縁組み30周年でも有りました。先日、会員の「金成萬氏」から連絡が入りました。

浦項市広報大使に任命された参加40名始め福山山岳会の会員に食事会の招待と広島ビッグアーチでのサッカーの試合の応援依頼の要請でした。急な話であり福山山岳会全体としての対応が時間的余裕もないまま対応せざるを得なくなり、いささか焦りました。しかし、まあ、なんと言いますか・・

山仲間とは頼もしい!

浦項市主催の食事会は、ほぼ全員が出席し一部の常任理事さんや理事さんの協力も頂戴し会場の約半分は福山山岳会の席でしたが満席となり、盛況でした。日頃、山姿しか見慣れてない会員がパリっとされた姿は一瞬?この人は?誰?の連続でした。中には雪嶽山探訪以来の再会と言うメンバーも当然居られ、手を取り合うようにして談笑される姿を見て、私は半年前の釜山港での出来事を思い出しました。

山仲間とは浪花節好きが多い!

フエリー組は一日早く出発し翌日釜山観光、午後、釜山港で高速艇組の到着を待っていた。入国ゲートが開き、高速艇の仲間を出迎えた時、期せずして双方から歓声が上がりお互いが抱き合わんばかりに再会を喜び合った。胸が熱くなった。後で聞けば、全員が似たような感情に浸ったらしい。

関係の無い人が見たら「この二組のグループは何十年ぶりの邂逅だろうか」と傍目にも微笑ましく思ったであろう。感動的な光景に映ったであろう、しかし、たった昨日である。一日しか経ってない。昨日の朝、福山駅裏の広場の壮行式で会って別れただけではないか。

関係の無い人が知ったら呆れ返るだろう、しかし40人全員は満面の笑みで一日ぶりの再会を喜び合い、浪花節の世界にドップリと浸っていた。

山仲間とは面白い!

浦項市役所表敬訪問の時「片章燮・ピュンジャンソップ氏」へ御礼として進呈した記念品の製作を私は「M氏」に丸投げしていた。私なりの「丸投げ」とは何を造って欲しいと具体的な注文はしないが、完成品を前にして一切文句は言わない事である。

記念品の最終打ち合わせの日、当時の私は不覚にも出発一ヶ月を切った大事な時期に仕事上の怪我で入院していた。病室に彼がヨロヨロヨタヨタと入って来た。入院
(転院)
していた病院にはエレベーターなんぞ無い。ギックリ腰の重症の彼は病室に入った途端、立つことも座る事も出来ず「イテテ・イテテ・イテテーヨ・デーヨ(と聞こえた)」を繰り返し、床の上で苦悶の形相でノタウチ回った。

介助したくても私も入院中の身なれば、ベッドの上で「浜村美智子・バナナボート」の歌詞を連想し腹を抱えて大笑いするしか無かった。他に入院患者が居ないので彼は思い切りノタウチ回れたし、私も大笑いできた。しかし彼が作成したのは縦横30×90cmの素晴らしい完成品だった。

寸法の意味は言うまでも無い!福山市・浦項市友好30周年、我が福山山岳会発足90周年に因んだ力作であった。更に彼が「裏面に参加者全員に自筆で名前を書き込んでは?」と提案してくれた。

名案だ!二度と見る事は無いだろう。しかし何らかの経緯で、どのような形にせよ再会できる事が有り得るかも? 最終説明会の10月6日夜提案し、全員の自筆署名が為された。

その記念品の保管は参加者の「H氏」にお願いした。「H氏」は我が子を慈しむようにして「片章燮氏」に手渡すまで大切に護ってくれた。

現在、編集中の「はいまつ記念号」の表紙も「M氏」に威勢よく丸投げした。

山仲間とは損得勘定をしない人も多い!

仮に日常生活の繰返しの日々の中 <あのー お忙しいでしょうが、雨の日の夕方に福山を出発し、広島ビッグアーチでのナイターでのサッカーの試合でサンフレッチエ広島と浦項市チームの試合の観戦に行きませんか?

そして韓国の浦項市チームの応援をしましょう。雨ですからカッパの支度が要ります。それに夜は冷えますから防寒の支度を> と近所の誰かとか仕事仲間を誘ったら、普通は行かないと思う。まず行かない。絶対に行かないであろう。「何が嬉しゅーて」と一蹴されるだろう。

しかし19人が嬉々として応援バスに乗り込んだ。他にも「行きたいが、どうしても用事が、」と言う人が何人も居た。中高年は誰しも諸々の事情が山積し、ナニヤカヤと忙しい。ところで、参加者の大多数は私を含めサッカーの生観戦も広島ビッグアーチも初めてと言う面々だったが、防寒支度に身を固め、寒さに震えながらも浦項市チーム応援席に陣取った。

心情とは不思議なモノである。19人は、お揃いの赤い帽子で浦項市チームを懸命に応援した。一喜一憂した。大いに愉しんだ。満喫した。中には「貴重な体験させて頂いた」と感謝までされた。

山仲間とは面白い。山仲間とは素晴らしい。

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