雪岳山(ソラクサン)     

朝鮮半島を分断している38度線の約30k南、韓国領に位置する雪岳山(ソラクサン)は標高1707m。
韓国で一番美しい山と愛でられている。韓国の夏は猛暑で冬は氷点下20度前後の厳しい環境だが、秋は日本の秋と同じ気候で紅葉が美しく特に雪岳山(ソラクサン)は日本では考えられない程、膨大な数の登山者が詰め掛けて美しい秋を楽しむ。

30数年前、日本の青年達が雪岳山へ登った。360度の素晴らしい眺望を楽しんだ直後、「コンロ」が爆発し一人の日本人青年が全身に大ヤケドを負った。偶然、その場に居合わせた韓国の青年達のリーダーが決断し一日掛かりで瀕死の日本人青年を背負って救助した。

全身包帯で包まれた青年を日本に運ぶには狭い飛行機の座席4人分を占領する。しかし若い彼らに余分の金は無かった。日本人青年達のリーダーは航空会社の担当者と交渉し、無料で座席4人分を確保した。

その時、全身に大ヤケドを負ったのは、現、広島県岳連理事長の 山田雅昭氏。

その時、無料で座席4人分を確保したのは、現、広島県岳連会長の 長谷川忠彦氏。

その時、彼を背負ったのは、現、韓国大邸(テグ)広域市山岳聨盟会長の 權成赫氏。

この方達と同席させて頂く機会を与えられ、意義深い一夜を過す事が出来た。呑むほどに酔うほどに話に花が咲き、心地よい雰囲気の中で私は来年迎える「福山山岳会発足90周年記念事業」の一環に、と漠然と考えていた「近場の海外の山へ仲間達と登りたい」という夢みたいな想いの方向性が見えた感がした。

広島市と大邸(テグ)市は姉妹都市であり、必然的に広島県岳連と韓国大邸広域市山岳聨盟の繋がり、交友関係は深く長い。それはそれで喜ばしい事であり、我々もその事を共有している。

大邸市のやや西、日本海側に「浦項市」が位置するが、この「浦項(ポハン)市」が福山市と姉妹都市縁組している事を今回初めて知った。しかも来年が姉妹都市縁組30周年の佳節を迎える。周知の通り福山山岳会は来年で発足90周年を迎える。

30年前、両市の姉妹都市縁組の時、福山山岳会と浦項山岳会が交流している。浦項を訪れた福山山岳会会員は12名。当時の会長、立花氏を筆頭に元会長の鈴木氏、小土井氏、現会長の山内氏を初め、現在も現役で活動されている藤井繁氏、黒飛氏、等々。その時の登山記録の詳細を拝見する時、浦項山岳会の誠意溢れる歓迎ぶりと12名の会員の心情、心意気は感動に溢れている。

三ヶ月後、浦項山岳会の15名が日本に来られた。福山山岳会は返礼に富士山に案内したのである。その時のリーダーは鈴木氏、サブリーダーを勤めたのは黒飛氏、他に小土井氏、山内氏、藤井繁氏、等15名の諸先輩であった。その記録を拝見し強く感じる事は、福山山岳会90周年記念と福山市と浦項市の姉妹都市縁組30周年記念が合致する来年は、我が福山山岳会と浦項山岳会が
30星霜の歳月を越え、旧交を温め、お互い山を愛する仲間として笑顔で握手を交したい。

秋の雪岳山

90周年記念事業の一環に相応しい最高の舞台であると思う。



                                                    戻る